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■腰の特徴
≫背骨の構造と椎間板の役割
人間の脊柱(背骨)はS字カーブを描くことでサスペンションの役割を果たし、重力による圧力を吸収しています。この構造がなければ、頭が揺れて脳が壊れてしまうばかりではなく、各部位が衝撃によって破壊されてしまいます。 さらに背骨と背骨の間には椎間板と呼ばれるクッションが挟まっており、衝撃の吸収と同時に大きく動くことを可能にしています。椎間板は加齢とともに劣化することが判明しており、亀裂などの損傷が起きると神経が反応して激しい痛みを引き起こします。 ≫腰のケガには種類がある
腰のケガは一般的に大きく3つに分類されますが、それぞれが完全に区別されたものではありません。腰痛の多くは腰部の筋肉が緊張し、血行を悪くしたり神経を刺激したりすることで痛みが強くなっています。したがって腰痛の種類によって痛みの度合いや種類は異なりますが、その原因や対処方法は似たようなものになります。
■患部の保護 ≫痛みの我慢は禁物! 腰痛にはぎっくり腰のように急激に痛くなる場合と、違和感から徐々に痛みへと変化していく場合があります。ぎっくり腰の場合は、その痛さと不快感で無理してスポーツを続ける人はいないと思いますが、早く治そうとして色々と試す人がいます。マッサージに行ったりお風呂に入ったり、湿布薬や塗り薬を頼る人も見受けます。しかし、ぎっくり腰は安静が一番です。色々と試して体を動かしてしまい、痛みを感じていると筋肉が硬くなって更なる痛みを引き起こしてしまいます。 徐々に違和感から痛みへと変わっていくような腰痛の場合は、腰に対する負荷の減少に努めましょう。ここで腰部の状態を回復させれば治りも速いのですが、無理をしてスポーツを続けると悪化の一途です。さらに、この状態は急激に痛みを発生する可能性があり、ぎっくり腰予備軍状態でもあります。早めに適切な対処をすることが重要です。 ≫早期診察がリハビリ期間を大幅に短縮さる! 腰が痛い場合や腰から足にかけて痺れがある場合は、整形外科の病院で診察してもらいましょう。痛いというだけでは原因が特定できないので、医師の診察やMRIなどの画像検査などによって診断名を特定してもらいます。 ケガは発生の後、どれだけ迅速で適切な対処ができるかが、スポーツ復帰の時期に大きく関係しています。「時間が経てば治るだろう」などと自己判断しないように注意してください。その待っていた時間のせいで、スポーツ復帰が遅くなるケースがよく起こってしまいます。 ≫リハビリの方針と発生原因を聞いてくる ケガからのスポーツ復帰を目指す前に、まずは普通の状態に回復させなくてはなりません。そのためには、どれぐらい安静にした後に身体を動かしてよいのかを医師や理学療法士に確認しておきましょう。とくに手術をした場合にはリハビリのスケジュールが重要になるので、確認しながら注意深く進めるようにしてください。ここで安易な行動をとると取り返しのつかない事態になってしまいます。後遺症を残さないためにも、慎重に取り組みましょう。 また、同時に発生原因も説明してもらいましょう。発生原因はある意味では、あなたの身体の特徴ともいえます。原因を明確にして対処(治ってからは予防)しないと、同じことの繰り返しになってしまいます。専門家の見解も聞いた上で、自分でも考えてみましょう。自分の身体について新たな発見があるかもしれません。 ■柔軟性の回復 ≫W-UPエクササイズをしよう! 腰の柔軟性を回復させるためにストレッチを行いますが、いきなりグイグイ伸ばすのは危険です。まずは、今日の痛み度合いや動きの状態を確かめながら、軽いエクササイズを行いましょう。 方法は、ゆっくりと痛みの無い状態を保ち、関節の動く範囲を全体的に動かしていきます。項目ごとに30秒間程度の実施で十分な効果があります。
≫骨盤周りのストレッチをしよう! 腰部は非常に伸ばしにくく、筋肉の緊張をとるのが難しい部位です。したがって腰部の緊張を緩めるのに有効な骨盤周りのストレッチを行います。痛みに対して無理や我慢をしないで、深呼吸をしながらリラックスして取り組みましょう。静的ストレッチの目安としては筋肉が伸ばされている姿勢を保ち、30秒間以上の静止をするのがポイントです。また、反動や弾みをつけるとケガを引き起こしますので、十分に注意してください。動的ストレッチは可動範囲をゆっくりと広げるように動かしていきます。筋肉の伸びを感じながら、痛みを感じない範囲で動かしていきましょう。下記以外にもたくさんのストレッチがあるので、色々な方法を実践してみましょう。 静的ストレッチ (ゆっくりと動かさないで伸ばしていくストレッチ)
動的ストレッチ
■筋力の回復 ≫体幹を安定させる筋肉を鍛えよう! 体幹を安定させる筋肉はとても繊細であり、複数の筋肉が協力して機能を発揮しています。これらの働きはとても重要であり、身体が動作を始める前から働き、腰部を中心とする体幹を安定させます。しかし、これらの筋肉が衰えてくると、体幹の安定性がなくなることで腰部が無理な動きを強いられ、様々なケガを引き起こしてしますのです。 方法は各項目、20回以上を目安に繰り返してください。ここでの筋力トレーニングでは、負荷を強くしたり素早く動かしたりすることは禁物です。体幹の繊細な筋肉のトレーニングが目的ですので、ゆっくりと軽い負荷で丁寧にトレーニングしていくのがポイントです。
≫体幹を動かす筋肉を鍛えよう! 体幹を動かす腹筋や背筋などの筋肉はとても強い力を発揮します。しかし、筋肉がたくさんあって強いが故に、安定性や柔軟性が正常な状態でないと、腰を痛める可能性が高くなってしまうのです。また、決して無理な重量でトレーニングをしないことも重要です。反復回数の目安は、動作フォームをしっかりと保ったまま、「キツイ!」と感じる程度としましょう。動作フォームが崩れてしまったり、楽に感じてしまったりするようでは負荷が適切ではない証です。反動をつけることなく、ゆっくりと動作を実施することがポイントです。
■協調性の回復 ≫体幹と全身の連動を意識して動かしてみよう! 体幹の柔軟性、安定性、筋力が回復してきたら、今度は各能力が協調的に働くように訓練していきます。普段はあまり意識することがない体幹と他の部位との連動性ですので、最初は苦戦するかもしれませんが、地道に続けて頑張っていきましょう。また、正しくない動作フォームでの実施は無意味に等しくなってしまいます。まずは回数や時間を意識しないで、しっかりと動作がおこなえているかに意識を集中させましょう。 正確な動作フォームを覚えてケガから復帰した後には、これらの動作がスポーツ活動前のウォーミングアップにも有効利用できます。しっかりと正しいフォームを習得しましょう。
■競技別能力の回復 ≫ジャンプ動作のリハビリをしてみよう! ジャンプ動作は全身運動となるため、ここまでに高めてきた能力を全体的に必要とします。素早く体を動かすということは、全身の力強さと連動性が求められます。いかに体幹を安定させた状態で下半身を力強く、上半身を素早く動かせるかがジャンプのポイントです。高いジャンプを必要とする球技はもちろんのこと、様々なスポーツに必要な能力といえます。
≫進め方のポイントを理解しよう! アスリハの最終段階にある競技別能力の回復では、より段階的に進めていくことが重要です。身体は同じ負荷が続くと、最初は適切な負荷だったものが慣れてしまいます。しかし、身体にかけた負荷が強すぎるとケガを引き起こしてしまいます。したがって適切な負荷とは、今の身体では少しキツイ負荷であることが重要です。さらに少々慣れてきた段階で負荷を少し高めることが鉄則です。負荷の高め方は工夫次第で色々な方法があります。
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