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■肩の特徴
≫肩甲骨の動きがとっても大切
肩関節は球面状になっているので可動範囲が広く、スムーズに動かすことができます。我々は腕を空に向かって180°伸ばすことができますが、これは肩関節の動きと肩甲骨の動きによって可能にしています。肩関節の動きが120°で、残り60°が肩甲骨の動きになります。どちらの動きが悪くなっても、肩を痛める原因となります。 ≫肩のケガの種類はたくさんある
肩のケガの種類は色々とありますが、それぞれが完全に区別されたものではありません。ケガの発生の仕方や呼び方が異なるだけで、内容的には同じようなものがたくさんあります。例えば、水泳で起きる肩の痛みと野球で起きる肩の痛みでは発生の仕方は異なりますが、その原因や対処方法は似たようなものになります。
■患部の保護 ≫すぐに応急処置をすること!無理な継続は禁物 スポーツ活動中や普段の生活の中で「肩が痛い」っと思ったら、すぐにスポーツ活動を中止し、安静にしましょう。次に患部を冷却して炎症の進行を食い止めます。プレーしているうちに治ると思って続けていると、悪化の原因となります。肩をケガしてしまう人の多くが、プレーを続けながら治そうと考え、治らずに悪化をさせてしまうという事態を引き起こしています。 ≫早期診察がリハビリ期間を大幅に短縮さる! 肩を痛めてしまった場合は、整形外科の病院で診察してもらいましょう。肩のケガには筋肉や骨が原因の場合や、関節の中に原因がある場合などがあります。痛いというだけでは原因が特定できないので、医師の診察やMRIなどの画像検査などによって診断名を特定してもらいます。 ケガは発生の後、どれだけ迅速で適切な対処ができるかが、スポーツ復帰の時期に大きく関係しています。「時間が経てば治るだろう」などと自己判断しないように注意してください。その待っていた時間のせいで、スポーツ復帰が遅くなるケースがよく起こってしまいます。 ≫リハビリの方針と発生原因を聞いてくる ケガからのスポーツ復帰を目指す前に、まずは普通の状態に回復させなくてはなりません。そのためには、どれぐらい安静にした後に肩を動かしてよいのかを医師や理学療法士に確認しておきましょう。とくに手術をした場合にはリハビリのスケジュールが重要になるので、確認しながら注意深く進めるようにしてください。ここで安易な行動をとると取り返しのつかない事態になってしまいます。後遺症を残さないためにも、慎重に取り組みましょう。 また、同時に発生原因も説明してもらいましょう。発生原因はある意味では、あなたの身体の特徴ともいえます。原因を明確にして対処(治ってからは予防)しないと、同じことの繰り返しになってしまいます。専門家の見解も聞いた上で、自分でも考えてみましょう。自分の身体について新たな発見があるかもしれません。 ■柔軟性の回復 ≫W-UPエクササイズをしよう! 肩の柔軟性を回復させるためにストレッチを行いますが、いきなりグイグイ伸ばすのは危険です。まずは、今日の痛み度合いや動きの状態を確かめながら、軽いエクササイズを行いましょう。 方法は、ゆっくりと痛みの無い状態を保ち、関節の動く範囲を全体的に動かしていきます。項目ごとに30秒間程度の実施で十分な効果があります。
≫肩のストレッチをしよう!
肩はとてもデリケートな関節です。痛みに対して無理や我慢をしないで、深呼吸をしながらリラックスして取り組みましょう。静的ストレッチの目安としては筋肉が伸ばされている姿勢を保ち、30秒間以上の静止をするのがポイントです。また、反動や弾みをつけるとケガを引き起こしますので、十分に注意してください。動的ストレッチは可動範囲をゆっくりと広げるように動かしていきます。筋肉の伸びを感じながら、痛みを感じない範囲で動かしていきましょう。下記以外にもたくさんのストレッチがあるので、色々な方法を実践してみましょう。 静的ストレッチ (ゆっくりと動かさないで伸ばしていくストレッチ)
動的ストレッチ (ゆっくりと動かしながら伸ばしていくストレッチ)
■筋力の回復 ≫肩を安定させる筋肉を鍛えよう! 肩の関節を安定させる筋肉はとても小さく、複数の筋肉が協力して機能を発揮しています。これらの働きはとても重要であり、どんなに複雑な動きでも肩が外れないように働いています。しかし、これらの筋肉が衰えてくると、肩の安定性がなくなることで本来とは異なる動きとなり、様々なケガを引き起こしてしますのです。 方法は各項目、20回以上を目安に繰り返してください。ここでの筋力トレーニングでは、重たいダンベルを使用したり素早く動かしたりすることは禁物です。小さい筋肉のトレーニングが目的ですので、ゆっくりと軽い負荷(裁縫用のゴムやペットボトル500ml程度)で丁寧にトレーニングしていくのがポイントです。
≫肩を動かす筋肉を鍛えよう! 肩を動かす筋肉はとても大きく、さらに強い力を発揮します。しかし、筋肉が大きくて強いが故に、安定性や柔軟性が正常な状態でないと、肩を痛める可能性が高くなってしまうのです。また、決して無理な重量でトレーニングをしないことも重要です。反復回数の目安は、動作フォームをしっかりと保ったまま、「キツイ!」と感じる程度としましょう。動作フォームが崩れてしまったり、楽に感じてしまったりするようでは負荷が適切ではない証です。反動をつけることなく、ゆっくりと動作を実施することがポイントです。
■協調性の回復 ≫肩の周りを意識的に動かしてみよう! 肩の柔軟性、安定性、筋力が回復してきたら、今度は各能力が協調的に働くように訓練していきます。普段はあまり意識することがない肩周囲の動きですので、最初は苦戦するかもしれませんが、地道に続けて頑張っていきましょう。また、正しくない動作フォームでの実施は無意味に等しくなってしまいます。まずは回数や時間を意識しないで、しっかりと動作がおこなえているかに意識を集中させましょう。 正確な動作フォームを覚えてケガから復帰した後には、これらの動作がスポーツ活動前のウォーミングアップにも有効利用できます。しっかりと正しいフォームを習得しましょう。
■競技別能力の回復 ≫投球動作のリハビリをしてみよう! 肩の動きの中でも代表的な動作である投球動作は、ここまでに高めてきた能力を全体的に必要とします。ボールに大きな力を伝えて投げるということは、肩だけではなく全身の連動性が求められます。したがって、水泳などの様に強い抵抗がかかる競技で痛めた場合でも、バレーボールやテニスなどの様にボールを叩く競技で痛めた場合でも、投球動作を改善することは重要といえます。
≫進め方のポイントを理解しよう! アスリハの最終段階にある競技別能力の回復では、より段階的に進めていくことが重要です。身体は同じ負荷が続くと、最初は適切な負荷だったものが慣れてしまいます。しかし、身体にかけた負荷が強すぎるとケガを引き起こしてしまいます。したがって適切な負荷とは、今の身体では少しキツイ負荷であることが重要です。さらに少々慣れてきた段階で負荷を少し高めることが鉄則です。負荷の高め方は工夫次第で色々な方法があります。
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